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邦画『ホットロード』

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母から愛されず、自分が誰からも必要とされていないと心を痛める14歳の宮市和希（能年玲奈）は、学校で周囲と打ち解けられず孤独を抱えていた。

そんなある日、不良の春山洋志（登坂広臣）と出会い、彼らの世界に自らのよりどころを見いだすようになる。

少しずつ洋志に惹（ひ）かれていく和希だったが、Nightsのリーダーとなった洋志は反目し合うチームとの激しい争いにしのぎを削ることとなり……。

評価：

1986年〜1987年に連載されていた少女漫画が原作。暴走族の世界にまつわる男女の物語です。

何せ、80年代の話なので「今さら暴走族か」と思っていましたが、観ていて意外にも古臭さを感じさせませんでした。それは、全編に渡り現れる、海の背景がとてもキレイなのと、話のテンポがゆったり進むため、画面全体が何となく輝いて観える印象を受けるためです。

暴走族の世界も、価値観はやっぱりおかしいなと感じつつも、映画の中の独特の世界観とわりきればむしろ新鮮で楽しめます。

私はあまりわからないのですが、最近は「マイルドヤンキー」なんて言葉もあるくらいですから、本作で描かれているような激しい暴力と権力闘争といったことは起こらなくなっているのではないでしょうか。

ということで、自分の環境とかけ離れた世界を興味深く観ることが出来たわけですが、終盤、春山洋志が交通事故に遭うあたりから展開が少しダラダラしてしまい、ストーリーの行き場がわからなくなってしまったのは残念でした。

但し、ラストは素晴らしいシーンになり、愛が溢れていて、こんな愛の形もあるんだなと心が暖まりました。この感じ方が出来ただけでも観る価値がある映画であったと思います。

能年玲奈の演技は可もなく不可もなく。『あまちゃん』と比較すると少し演技の幅が狭いかなという印象でした。

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鑑賞日：2015年11月