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邦画『夏の庭-The Friends-』

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舞台は神戸。人の死について興味を抱いた3人の小学生（木山諄、河辺、山下）は、近所に住む変わり者の老人でもうじき死にそうな、傳法喜八に目をつけ、日々観察することに。

次第に3人の少年と老人の交流が始まり、戦争の話や生き別れた奥さんの話を聞くことに。3人は生き別れた奥さんを探すことを決意し…。

評価：

子供の頃、「死ぬってどういうことなんだろう」とずっと考えていたことがありました。当時はまだまだ死ぬには時間がたっぷりあるけれど、いつかはみんな死んでしまう。そんな虚しさを親しい友人などに伝えたりしていました。

この作品のテーマは「死」で3人の小学生と老人のひと夏の交流を描いているのですが、小学生の1人が冒頭で「死ぬってなんだろう」と思案しており、同じような経験をしたことを観ていて思い出しました。

監督は相米慎二。日本の映画史を語るうえで欠かせない映画監督の一人であり、特に小泉今日子と浅野忠信が演じた『風花』はとても印象に残っています。私のイメージとしてはアイドルの魅力を引き出すのに長けた監督という感じです。

冒頭からなんとなく結末がわかってしまったのでストーリー自体は特に大きな驚きはなく淡々と進んでいくという印象でした。

この作品はストーリーよりも子供のキラキラとした表情や途中途中に差し込まれる美しい映像を楽しむことに重点が置かれている感じがして、テレビドラマでは表現出来ないような素敵な画のシーンが心に残っています。

特にラストでいきなり10年くらい経過してしまうシーンがあるのですが、世の無常さがよく出ている表現でインパクトがありました。

恐らく、「誰もが経験した子供の日々を想い出してほしい」というメッセージが監督にあるように感じられ、子供の頃の日々を想起させられました。映画の多様な観からの1つといえます。

とはいえ、相米監督はやっぱりアイドルを撮った時の作品の方が良いなあという印象。女性の内面からにじみ出る魅力を引き出すにはピカイチの監督さんなのではないかと改めて思った次第です。

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鑑賞日：2015年10月