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「おやじ」をテーマに10人の一流脚本家が物語を作る

ドラマ『おやじの背中』

ジャンル:ドラマ ヒューマンドラマ
視聴スタイル:DMM DVD/CDレンタル「借り放題シングル」
製作年(製作国):2014年(日本)
収録時間:【1】90分【2】90分【3】90分【4】90分【5】90分
出演者:※あらすじ参照
脚本:※あらすじ参照

 

 

 

 

 

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『おやじの背中』あらすじ

 

第1話 圭さんと瞳子さん

脚本:岡田惠和
出演者:田村正和 松 たか子 バカリズム キムラ緑子 角野卓造 渡辺 大

東京郊外にある古いが手入れの行き届いた一軒家。
ここで 樋口圭太郎 (田村正和) は娘の 瞳子 (松たか子) と二人で暮らしている。

 

そんなある日、瞳子は同僚の 奥住 (バカリズム) から突然プロポーズされる。妻と離婚したので、前々から好意を抱いていた瞳子と結婚したいという。そんな奥住に瞳子は…。

 

その夜、圭太郎が食中毒で病院に運ばれ、そのまま入院することに。一人家に帰ってきた瞳子は、やがて激しい不安に襲われる。

 

第2話 ウエディングマッチ

脚本:坂元裕二
出演者:役所広司 満島ひかり 山本美月 浅田美代子

元プロボクサーの 草輔 (役所広司) と娘の 誠 (満島ひかり) は、誠が小さい頃からボクシングのオリンピック出場を目標に二人三脚で歩んできた父子。年頃になった誠が恋をすれば草輔がことごとく邪魔をし、誠はそんな父に反発しながらも普通の女の子の楽しみは諦め、トレーニングに励んできた。

 

ところが草輔には娘よりも年下の恋人・亜利沙 (山本美月) がいることが発覚した。誠が問い詰めると亜利沙とは結婚の約束までしているという。ボクシング一筋で何もかも封印して練習してきた誠は、父親に怒りをぶちまける。

 

草輔は亜利沙と別れ、二人三脚でトレーニングを再開するが…。

 

第3話 なごり雪

脚本:倉本 聰
出演者:西田敏行 木村多江 光石 研 市川実日子 中島ひろ子 梨本謙次郎 MEGUMI 広瀬すず 大杉 漣 田山涼成 織本順吉 由紀さおり 小林稔侍 徳光和夫

金属加工会社 「イズキン」 社長・小泉金次郎 (西田敏行) は16歳で故郷・富山を出て、一代で会社を築き上げた。

 

創立40周年の祝賀パーティーが間近に迫り、金次郎は準備に余念がない。プランや進行は自らが発案し、スピーチの練習から出席者のチェックまで大忙し。辛苦を乗り越えて成し遂げた立身出世を披露する一世一代のひのき舞台なのだ。

 

しかし、長男で専務の 金一 (光石研) や娘婿で常務の 一平 (梨本謙次郎) からあがってきた会の進行表からは、金次郎が考えた出し物はすべて消され、金次郎の富山時代の同級生・南 (大杉漣) が作ってくれたイズキンのドキュメント映画の上映もカットするという。腹を立てた金次郎はパーティーを中止すると言い、姿を消してしまう。

 

妻の 秋子 (由紀さおり) は心当たりに電話を入れるが、金次郎の消息はわからない。祝賀パーティーの件もあるので、警察には届けられない。秋子は、同じく金次郎の同級生で元警視庁刑事の 大塚喜平 (小林稔侍) に相談するが…。

 

第4話 母の秘密

脚本:鎌田敏夫
出演者:渡瀬恒彦 中村勘九郎 ともさかりえ 神野三鈴

麻倉賢三 (渡瀬恒彦) と 慎介 (中村勘九郎) は長い間わだかまりを抱えて生きてきた父子。その賢三が突然、秩父札所参りに行こうと慎介を誘ってきた。それまで疎遠だった父が何故そんなことを言い出したのか、慎介には見当もつかなかった。

 

そもそも賢三は昔、学生運動に参加し、その後も家庭のことより社会の変革に情熱を注いできた。慎介はそんな父に反発するように、自分の家族の幸せを最優先に考えるようになっていた。賢三と妻・幸恵 (神野美鈴) との間にも溝が生まれ、幸恵が亡くなるまでその溝が埋まることはなかった。幸恵の死をきっかけに賢三は住んでいた家を売り払い四国で事業を始め、慎介はそれ以来父と会っていなかった。

 

慎介は妻・加奈子 (ともさかりえ) の勧めもあって、賢三と札所参りに出かけることにする。親子二人、どこか他人行儀な旅だが、やがて心に秘めてきた妻であり母である幸恵への思いを初めてぶつけ合い…。

 

第5話 ドブコ

脚本:木皿 泉
出演者:堀北真希 遠藤憲一 溝端淳平 谷村美月 薬師丸ひろ子

丸井三冬 (堀北真希) は悪役専門役者の 正 (遠藤憲一) を父に持つ女性警察官。父の当たり役がきっかけで、三冬は友人たちから 「ドブコ」 と呼ばれている。

 

ある日、三冬は幼なじみの親友で同じ警察官の 勝 (溝端淳平) から、突然 「友人関係」 を解消したいと宣告される。フィアンセの 静香 (谷村美月) から三冬が結婚式に出ることも友人であることもやめて欲しいと言われたというのだ。

 

数日後、正は三冬に内緒で勝を警察署から呼び出した。目的は勝からの一方的な別れ話に一言物申すため。それを知った三冬は激怒!頼みもしないのに余計なことをした、と正を責める。だがその帰り道、子ども相手に遊んでいた正が突然倒れてしまう。三冬はいつものように演技だと無視するが、正はそのまま意識を失っていた。凍りついた三冬は救急車を呼ぶが…。

 

第6話 父の再婚、娘の離婚

脚本:橋部敦子
出演者:尾野真千子 國村 隼 桐谷健太 本田博太郎 中田喜子

吉崎典久 (國村隼) は妻を病気で亡くしてから4年が経っていた。その後、勤め上げた会社を定年退職し、今は再就職しているが仕事に満足しているわけではなかった。典久の一人娘・杉本七海 (尾野真千子) はすでに家を出、信用金庫に勤めながら俳優業の 大悟 (桐谷健太) と結婚生活を送っている。といっても、大悟はバイト暮らしで家計は七海が支えていた。

 

亡き妻の法要の席で、典久が今の会社を辞めたと七海に告げた。これからどうするつもり、と七海はあきれるが、典久は思いついたように 「婚活」 を宣言する。一方、七海と大悟がうまくいっていないことを察した典久は、七海に問い詰めるがはぐらかされてしまう。それでも諦めずに娘の生活を心配する典久。やがて二人は激しい言い争いを始める。

 

しばらく後、七海は病院で典久がパーティで知り合った女性・岡宮芳子 (中田喜子) と一緒にいるところを目撃する。しかも二人で温泉に行く計画もあるという。その行き先が、生前母が行きたがっていた温泉旅館だと知った七海は…。

 

第7話 よろしくな。息子

脚本:山田太一
出演者:渡辺 謙 東出昌大 余貴美子 笹野高史 柴田理恵

戸川祐介 (東出昌大) がアルバイトをしているコンビニに、深夜強盗が現れる。マスクをつけ、出刃包丁を突き出したのは中年の女・桂 (柴田理恵)。しかし、当の強盗は気が動転していて、祐介に 「 金を出せ 」 とも言えない。その様子を見ていた唯一の客・高村浩司 (渡辺謙) は警察を呼ぶというが、祐介は二度と強盗などやらないと桂に約束させ、彼女をそのまま解放する。

 

しばらくして、祐介は浩司に呼び出される。浩司はコンビニでの祐介の行動が実に見事だったと賞賛し、じっくり話がしたくなったという。祐介はそれだけの用件かといぶかるが、浩司が単に偶然コンビニにいた客でないことがわかった。浩司は祐介の母・泰子 (余貴美子) と最近見合いをし、断られた男だった。気持ちの整理がつかなくて、泰子の息子にただ一目会いたかったという浩司だが、話をしているうち、祐介に自分が一生を捧げた靴作りを継がないかと言い出し…。

 

第8話 駄菓子

脚本:池端俊策
出演者:大泉 洋 高橋克実 田中哲司 塚本高史 田中奏生 日野陽仁 岩本多代 荻野友里 五十嵐陽向

春部真 (はるべただし・大泉洋) は菓子メーカーの営業所で契約社員として働くかたわら、駄菓子の研究開発に余念がない。息子の 湊 (みなと・田中奏生) も試作品ができるたびに友達に配り、父の新製品の評判がいいから鼻が高い。真の駄菓子に対する思い入れは相当で、本業そっちのけで没頭するあまり妻も家を出て、会社でトラブルになることもしばしば。今回も上司の 二ノ宮 (日野陽仁) と言い合いになり仕事を辞めるはめになった。

 

真はハローワークで職探しを始めるが、自分が理想とする駄菓子メーカーなどなかなか見つからない。そんなとき、兄の 利一 (田中哲司) が真を訪ねてくる。利一は真と違ってデキがよく、一流大学を出て父親・森造 (高橋克実) の経営する製薬会社を継いでいた。その森造の病気が深刻で、余命を悟った父が真も利一と一緒に会社をやってみろと言っているらしい。真は余計なお世話と父親の差し伸べた提案を断ってしまう。

 

そんな真にも一目置く駄菓子メーカーがあった。家族を中心にこじんまり経営しているハシバ製菓は、規模は小さいが味はピカイチ。真は自慢の試作品と履歴書を持って社長の 羽柴 (塚本高史) を訪ねるが、素っ気ない態度で取り合ってももらえなかった。

 

そんなとき、森造の訃報が届いた。

 

第9話 父さん、母になる!?

脚本:井上由美子
出演者:内野聖陽 神木隆之介 久本雅美 岡本あずさ 高木星来 夏川結衣

大学生の 新城達也 (神木隆之介) は就職活動中だが、なかなか内定がもらえない。一方、父親の 勝 (内野聖陽) は業界最大手のゼネコンで出世街道をひた走っていた。

 

ガールフレンドの のぞみ (岡本あずさ) から、勝に就職のことを頼んでみたらと提案された達也は、親のコネなど利用したくないと一度は突っぱねるが、もう後がない達也はわらをもつかむ思いで勝の会社を訪ねる。だが、そこで勝が退職した事実を知る。

 

家に戻って確かめると、勝は上司とそりが合わないから依願退職したという。当てが外れて困惑する達也以上に怒り出したのは、母親の 絵美 (夏川結衣) だった。

 

アパレルメーカーに勤める絵美はその日、大役への抜擢を打診されたが、家事との両立が難しいからと辞退したばかりだったのだ。絵美と達也からなじられた勝は決心したように、出世のチャンスが巡ってきた妻に代わって自分が 「主夫になる」 と宣言した。

 

勝には三食昼寝付きでテレビ見放題の生活が待っているはずだったが、現実はそんな甘いものではなかった。掃除・洗濯・料理に苦戦する勝、だがそれ以上に高い壁は近所の主婦・誠子 (久本雅美) たちとの付き合いだった…。

 

第10話 北別府さん、どうぞ

脚本:三谷幸喜
出演者:小林 隆 吉田 羊 須田琉雅 堀内敬子 瀬戸カトリーヌ 秋元才加 酒井若菜 木南晴夏 八嶋智人 小日向文世

役者を仕事にしている 北別府 (小林隆) はがん治療のため、とある大学病院で治療を受けていた。しかし、病状は改善せず、主治医 (小日向文世) は今まで通りの治療を行いながら様子を見ようと告げる。ただ、その方法で本当に命が助かるのか?

 

妻 (吉田羊) とは別れ、8歳の息子・寅雄 (須田琉雅) と暮らしている北別府にとって、“病死” はあってはならないことだった。

 

その日の治療も終わり、病院を去ろうとしていた北別府に声をかけてきたのは、ドラマの撮影スタッフ・上田 (秋元才加) だった。上田はその病院でロケをしていたのだというが、彼女が去ったあとには撮影で使った白衣の衣裳が残っていた。

 

忘れ物を届けようと上田を追う北別府の目に、今度は息子の寅雄の姿が飛び込んできた。理由を聞くと体育の授業で怪我をして、担任の 吉野先生 (瀬戸カトリーヌ) に病院に連れてきてもらったという。しかし、びっくりしたのは寅雄のほうだ。父親が何故病院にいるのか?とっさに手に持っていた白衣を着た北別府は、息子に 「病院で働いている」 とウソをつく。

 

それまで父親の職業を知らなかった寅雄は、北別府に尊敬の眼差しを向け、病院を見学したいと言い出した。医者になりきった北別府は息子を連れ、堂々と病院内を歩き始めた…。

 

TBS公式サイトより

『おやじの背中』批評(ネタバレ)

評価:

 

『半沢直樹』や『下町ロケット』など大ヒットドラマを生み出した、TBS日曜9時の「日曜劇場」枠で2014年に放映された連続ドラマ。

 

連続ドラマというものの、本作はオムニバス形式になっており、「おやじ(父)」をテーマに毎回、脚本家が物語を仕上げる構成になっています。

 

元々、脚本家を重視して、ドラマの選択をすることが多い、私にとって、一流脚本家による共演というのはすごく楽しみでした。

 

倉本聰、山田太一といった大御所から、三谷幸喜、井上由美子、岡田惠和などの今の時代の人気脚本家まで。見事なラインナップです。

 

通常は出演者ありきで構成するドラマ作りが主流になっている中でのこの取り組みの姿勢は称賛すべきものがあります。

 

それぞれのエピソードの簡単な感想を書きます。

 

第1話 圭さんと瞳子さん(岡田惠和)

独特の世界観でじっくりと魅せてくれます。心情のうつろいを丁寧に表現していて、岡田さんならではのテイスト。

 

第2話 ウエディングマッチ(坂元裕二)

ボクシングを舞台に、しかも娘がボクサーという面白い設定。『東京ラブストーリー』などを手掛けたヒットメーカーの脚本ということで期待値は高かったですが、やや期待外れ。

 

第3話 なごり雪(倉本 聰)

大御所の脚本のためか、俳優陣が豪華。登場人物が多く、ストーリーに深みがありました。

 

第4話 母の秘密(鎌田敏夫)

トレンディドラマの脚本家という印象があるが、それを封印し、親子の会話を中心に据え、じっくりと作り込まれたドラマでした。

 

第5話 ドブコ(木皿 泉)

父親役を演じた遠藤憲一の存在感がすごい。今、注目されている役者さんだけあります。今回のシリーズで一番インパクトがあった登場人物だったかもしれません。

 

第6話 父の再婚、娘の離婚(橋部敦子)

現在で起こりうる出来事をリアルに描いているという印象。女性らしい視点で切り取り、女性の共感が多く集まりそうなストーリーでした。

 

第7話 よろしくな。息子(山田太一)

セリフや導入部分がいかにも山田太一らしい。渡辺 謙と余貴美子ラブストーリー。渡辺 謙は山田太一ドラマで良く出てくる印象です。

 

第8話 駄菓子(池端俊策)

ストーリー展開で面白くさせてくれる脚本家。父親役の大泉洋がらしくて良かった。「駄菓子」を話の素材にしている点も面白い。

 

第9話 父さん、母になる!?(井上由美子)

お父さんが専業主夫になるという発想がユニーク。これも女性脚本家ならではのアイディアだと感じます。近所のうるさいオバサン達など主婦目線で描かれています。

 

第10話 北別府さん、どうぞ(三谷幸喜)

三谷さんじゃないと書けない作品。他の作品とは良くも悪くも次元が異なる。舞台っぽい展開。三谷さんは脚本家として、唯一無二の存在なんだなとつくづく感じました。

 

どの作品も脚本家さんのテイストが出ていて、面白かったのですが、オムニバスということで、連続ドラマならではの楽しさがなかったのは残念。

 

登場人物に感情移入出来ないまま、次に行ってしまうのも物足りない感じではありました。

 

 

鑑賞日:2016年02月

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