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邦画『幕末高校生』

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高校で歴史を教える女教師未香子（石原さとみ）と教え子である3人の生徒は不思議なスマホアプリのせいで1868年の江戸に突然タイムスリップ。時は幕末で迫りくる新政府軍との闘いを避けることに腐心する勝海舟（玉木宏）は、現代から来たという未香子と高校生に出会います。

本来であれば、勝海舟と西郷隆盛は話し合いで「無血開城」を決断し、戦争にならずに政権移管を行うのですが、この史実と違ってきていることに気付いた未香子は歴史が変わらないように奮闘をして…。

評価：

歴史教師と3人の高校生が幕末にタイムスリップしてしまい、勝海舟や西郷隆盛ら歴史上の人物と出会い、歴史が変わらないように奮闘していくストーリー。原案は何だろうと調べてみたのですが、1994年にフジテレビで放送されたドラマ『ボクたちのドラマシリーズ』の一作なのだそうです。

タイムスリップ物であり、舞台が幕末の江戸という設定だけでも魅力的なのに、予定調和とご都合主義のオンパレードで観終わってガッカリしてしまいました。出演した俳優陣はとても豪華だったのですが、出演した役者さんにとってはイメージダウンになってしまったのではないでしょうか。玉木宏さんや佐藤浩市さんが出演している映画の中では断トツのレベルの低さなのではないかと…。

ストーリーがいちいち「ありがち」であり、ツッコミどころ満載。お殿様が現代から来た女子高生に簡単にメロメロになってしまったり、勝海舟が西郷隆盛と会うのを阻止するため、大勢の侍が勝海舟に闘いを挑むものの勝が全員をバッタバッタと切り刻んだり。「いくらなんでも強すぎるだろ！」と感じてしまいます。

観ていて私が最も面白くないと感じる映画は、先が読めてしまうありがちな展開と、最初にストーリーありきで、それに向けてむりやり話が進む作品なのですが、本作は見事にそれにあてはまり、「ありがちパターン集」を観ているような感覚でした。

ここまで書いて思ったのですが、そもそも本作が狙っているターゲット層と私は異なっているのかもしれません。軽薄な展開と裏付けの薄い歴史観を考えると、歴史にさほど詳しくないライトな若い層を狙っているのかもしれません。

若い層にはどのように本作品が捉えられたか。一度聞いてみたいものです。

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鑑賞日：2015年10月